老人

僕の住んでいる町は高齢化が進んでおり日ごろ利用しているバスでは無料で乗っている老人の姿が多い。ノンステップバスという入り口の段差が少ないバスでは、逆に後部座席に行く前に段差があるため、前部に老人がたまっていて後部座席はがら空き、前の方は混むという状態になったりする。
僕からしたら70歳以上だと思われる白髪の集団は全員老人に見えるのだがこの前とある老人女性が席に座ろうとするとその友人が「そこは駄目よ！おばあちゃんの座る席だから」といって別の席に移動した。自分ではおばあちゃんだと思っていないその精神性もさることながら、その集団が座らなかった席は別に優先席でもなくていろいろ突っ込みたくなった瞬間である。

老人は耳が不自由なためとにかく大声で話す。以前集団で「死」について話しているのを聞いて興味津々であった。あまりにもあっけらかんとした「死」みなものすごく明るいベクトルで「早く死にたい」と話していたのだがそれはよく聞いてみたら生きることや年金への不安というものだと気がつき少し切なくなった。

ともかく近所の老人たちはみな元気である。